2025年7月4日(金)、東京・南青山のBAROOMにて、IMCJとMerlinの共催によるセミナー「Strategies Matter」とネットワーキングレセプションが開催しました。当日は、IMCJメンバーを中心に、最近パートナーシップを発表したAudioSaladとレコチョクからの特別ゲストを含む、計50名の音楽業界関係者が集いました。
本セミナーのテーマは「戦略が重要(Strategies Matter)!」でした。
日本のインディーズ音楽権利者が、世界市場に向けてビジネスを展開していく上で欠かせない戦略的視点について議論が交わされました。
セミナーは、IMCJのブレンダン・ガフニーによるモデレーションのもと、Merlin APACゼネラルマネージャーのヒル薫子氏へのインタビューから始まりました。インディペンデントの権利者を取り巻く現状、特に日本およびアジアの状況に焦点を当て、Merlinがどのようにそれらの権利者をサポートしているかについて、示唆に富んだやりとりが展開されました。
続いて行われたパネルディスカッションには、株式会社フォーライフミュージックエンタテイメントの柏子見 公昭氏と、AudioSalad Inc.のJae Yun Choi氏が登壇。
柏子見氏からは、ブランドとのパートナーシップや具体的なマーケティング事例を通して、音楽ビジネスにおける戦略的意思決定の重要性が語られました。一方、Choi氏からは、グローバル市場での楽曲の可視性を高めるために不可欠なメタデータの最適化について、豊富な実例と共に実践的なアドバイスが共有され、参加者は熱心に耳を傾けていました。
セミナー後のネットワーキングレセプションでは、音楽業界の垣根を越えて活発な交流が行われ、参加者同士が「Go Global(世界へ)」という共通のビジョンのもと、新たなつながりを築く貴重な機会となりました。
本イベントの開催にあたり、多大なるご支援をいただいたMerlin様に心より感謝申し上げます。IMCJは、今後もMerlinとの緊密なパートナーシップのもと、日本のインディペンデント音楽業界のさらなるグローバル展開を推進して参ります。
【Merlin公式サイト】
https://merlinnetwork.org/
【登壇者プロフィール】
ヒル 薫子 氏(Merlin Japan)
海外在住経験、エンターテイメント関連の法務プロジェクト等経験を経て、2009年から株式会社ジャパン・ライツ・クリアランス(現株式会社NexTone)にて音楽著作権およびデジタル&グローバルビジネスの権利処理、ライセンス実務を担当。2016年10月世界のインディーズレーベルを支援するグローバルライツエージェンシー「Merlin(マーリン)」(本社:英国)が日本の音楽の海外展開を支援するため、アメリカに続く二つ目の海外拠点として設立した日本オフィス開設時のメンバー。直近ではByteDance株式会社グローバル音楽事業開発部門にてTikTok、CapCut等の音楽ライセンシングおよびデータライツマネジメントに携わる。2024年9月Merlin Japan株式会社代表兼アジア太平洋地域ゼネラルマネージャーに就任し、国内外レーベルのグローバルデジタルビジネスのアドバイス及びサポートに従事。
Jae Yun Choi 氏(AudioSalad Inc.)
韓国出身。ニューヨークを拠点とする音楽テクノロジー企業AudioSaladにて、アジア太平洋地域のビジネス開発を担当。メタデータおよびメディア資産管理、配信、流通に特化したソリューションを、世界中のアーティストやレーベル、ディストリビューターに提供している。東西の音楽市場に精通し、権利者がグローバルなデジタル音楽市場で成功するための支援を行っている。特に日本市場に注目し、業界固有のニーズに応じたサービスの最適化に取り組んでいる。
柏子見 公昭 氏 (株式会社フォーライフミュージックエンタテイメント)
1962年東京生まれ、1986年立教大学卒後、西武百貨店を経てヴァージン・ジャパン/メディア・レモラスより音楽業界に従事。ポニーキャニオンでは音楽/映像・アニメの領域で制作・宣伝・販促など全ての業務に携わる。ポニーキャニオン配信事業時代に松原みき「真夜中のドア」グローバルヒットに関わったことから日本のポップミュージックの世界市場への進出に関心を注ぐ。2023年よりフォーライフミュージックエンタテイメント配信事業部部長プロデューサー。